only one
「泣かないで下さい。」
さっきクスリと笑った仲村さんの真剣な声。
なによっ!!
さっき笑ったくせに.....
そんな真剣な声に騙されるもんですか!!
私は目に涙をいっぱい溜めて仲村さんも胸の中から彼の顔を見上げた。
「そんなに怖い顔で見ないで下さい。」
困ったような仲村さんの顔。
眉をハの字に下げて情けない彼の表情になんだか恥ずかしくなって私は目を逸らした。
「遥夢様は本当に正直な方だ。ぜんぜんお変わりになっていない。」
そう言って微笑む仲村さん。
とても綺麗な笑顔に私の涙は引っ込んでしまった。
そして疑問に思ったこと、今抱ええる不安を仲村さんに話してみようと思った。