only one


元来、私はとても活発で思ったことはあまり考えずに口にする性格だった。

隗夢との生活で自分を偽り続け人形に徹してきた私が今から元の私に戻っていいのだろうか。


仲村さんに今思いをぶつけてしまって彼に呆れられないだろうか。


考えを巡らせながらも私は意を決して仲村さんに話を切り出した。





「仲村さんはお嬢様を知っていたんですか?」


仲村さんの腕の中から離れて彼と目を合わせて話しかけた。



「やはり、気になりましたか?確かに遥夢様に話した内容と違いますね。」




目を逸らすことなく、だけど少し微笑んで首をかしげながら仲村さんは応えた。



その姿は私の目には、はぐらかそうとする仕草に映った。



「誤魔化さないで下さい!!」



ただ真実が知りたいだけそれなのに仲村さんの態度はハッキリしない。


そのことに私は少しずつ興奮していた。




「昔話をしましょうか。」



仲村さんはアルバムの写真を目を細めて見つめながらポツリと言葉を零した。





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