only one
「マツって悪い奴なんだな。」
マツを私以上に知ってるのに面白がってるディアス。
全てを話したわけではないのに、少し疲れを感じた。
「ん?
少し疲れたか?」
向かい合って座る私の額に掌を当ててニッコリ微笑んでくれるディアスにコクリと頷いた。
「今日はここまでにしよう。
少し眠れ。」
椅子から立ち上がったディアスは私の側にくると、そのまま私を抱き上げて足を進めた。
「ひゃっ!」
突然抱き上げられて驚いた私は手足をバタつかせて抵抗するも、
「危ないからじっとしてろ!」
ディアスの言葉と目の前に見えた階段に、その体の動きを止めたんだ。
軽々と私を抱き上げゆっくりと階段を上るディアスの腕の中で私の瞼はどんどん重くなり、
「悪夢を見ることになるからな。」
恐ろしいディアスの言葉の意味を理解しないまま眠りについた。