only one
「やっと目が覚めたか?
馬鹿夢。」
「あれ?私いつの間に寝ちゃったの?」
「あ゛っ?!」
状況が掴めない私の言葉にディアスは思いっきり顔を歪めて不機嫌な声を出した。
「っていうか、デコピンするなんて酷いじゃない!」
「あ゛っ?!」
え?デコピンされたよね?
黒いものに追いかけられてて苦しくて、だけど走って逃げてる私にディアスが立ちはだかってデコピンをくらわせたんじゃなかった?
ってか夢?
え??
夢??
だって私ベッドの上にいるよね?
「あれ?なに?どうして?どうなってるの?」
オロオロと慌てる私をディアスはチラリと見て、フッと馬鹿にしたように鼻で笑った。
「シッカリしてくれよ!
馬鹿夢。」