only one
ドーンという爆音を響かせ弾きあう2つの光。
砂煙が視界を遮る。
「デリー?」
力加減間違えたか?
駆け寄りたいが俺には立ち上がる力も残されていない。
遥夢を救い出すためとはいえ、首を切り落とされたのはまずかった。
いまだ俺の首の傷からはドクドクと血が流れ落ちている。
「デリー?」
無事なら早く姿を見せろと苛立ちを感じる俺の目の前にニッコリと笑うデリーの姿があった。
「さすがですわ、マーフィー。」
満足そうなデリーに俺は苦笑いを浮かべた。
「ディアスは?」
「お兄様の心配?
素直じゃないのね、遥夢さんの事が聞きたいんじゃなくて?」
「わかってるならいちいち聞き返すな!」
くすくすと笑うデリー。
「2人は無事に家に着いていますのよ。
ワタクシ達も早く行かなければと思っておりましたが、マーフィーの結界が邪魔して移動できなかったのですわ。」
笑いながらも毒はシッカリ吐くようだ。
「お前も変わってねぇな。」