only one
「ここはどこだ?」
つぅか外で寝る趣味はねぇんだけど…。
それに…
うるせぇ!
怒鳴り合う声と大きな物音。
ガンガンと痛む頭に音が響いて正直つらい。
音と声のする方向に視線を向けると…
喧嘩?
輪になって1人が囲まれている。
「あーぁ…可哀想に…。」
助ける気なんて俺には全くない。
でも勝負は見えていた。
輪になって囲んでいる奴らは5人。
真ん中の男がどんなに強くても勝ち目はないだろう。
「まッ、俺には関係ねぇけど!」
シカトを決め込んだ俺は喧嘩を傍観していた。
でも俺の予想を裏切り、たった1人で5人を倒していく男に俺の視線は釘付けになった。