only one


空を見上げる彰人。

目を細め穏やかな表情を浮かべる。


「春香はずっと俺の中で生きていく、俺と一緒に…。」


胸に手をあて、空を仰ぎながら言葉を紡ぐ彰人。


その言葉は春香に話しかけるときのように優しく、そして胸にあてた手も春香に触れるときのように優しい。


心臓がドクンと跳ねた。

本当に春香が彰人に重なって見えた気がした。


いないはずの春香の存在を感じたんだ。





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