only one


「髪も瞳も元に戻っちゃうんだね。」


俺も知らなかった事実。

遥夢と愛し合った時にグレーに変わる髪と瞳。


時間がたてば栗色に戻る事がわかった。


けど、原因はわからない。


デュランは運命の人と結ばれたら元に戻ると言った。



「つぅか…
こっちが元じゃねぇんだけどな。」



遥夢には言えない。


変化が続かないのは遥夢が運命の人ではないのだと不安にさせてしまう。

「あっ、そうだね。
綺麗なのに残念。」


俺も不安に思わないわけじゃない。


だけど運命の人は遥夢以外に考えられない。


だから変化が続かないことなんて気にしなかった。


ここで生活を続けるには都合がいいと考えていた。


「マツ…好き…」


ギュッと腰に腕を回して抱きつく遥夢。


ストレートに感情を口にし、態度で表す遥夢。


幸せだった。







幸せすぎて見落としていた。


遥夢がいつも危険に曝されていることを深く考えていなかったんだ。







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