only one


竜一の動きがおかしい。

頻繁に屋敷に出入りするようになった竜一。



もしかして…


まさか…




遥夢が養女に入ったことを嗅ぎ付けられたら最後だ。


旦那様の財産も全ての権利も養女になった遥夢が受け継ぐことになっている。


その事実を知るのは旦那様と彰人と俺。


漏れるはずのない情報。


竜一に知られてしまったら最後。


遥夢の身に危険が迫る。


だけど、俺も彰人も竜一を甘く見ていた。


何も出来ない竜一。


ただ担ぎ上げられて器もないのにトップに立つだけしか出来ない竜一。


抗争で失った側近の力だけで旦那様に対抗していた竜一。


馬鹿な奴だと見くびっていた。




そのことに気付いたときには遅かったんだ。






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