only one
「仲村も可哀想な奴だ。お前を信用していたなんてな…。」
「俺は人にはつかない。金と権力以外に興味はない。」
モニター室にむかいながら竜一に心にもないことを口にした。
「あの女がお前を見た時の顔を想像するだけでワクワクするぜ。」
竜一の言葉に胸がズキリと音をたてた。
モニター室に閉じ込められている遥夢。
俺が竜一と一緒にいる姿を見て、遥夢はきっと傷つくはずだ。
「狙っていたのはアンタだけじゃないんだよ。
女を手懐けて、俺が今のアンタと同じ事をしていた。」
「それなのにお前は俺に協力出来るのか?」
「トップに立ちたい訳じゃない。
目立つのは好きではない。」
「あくまでも裏に徹すると言うことか?」
「そうだ。平穏だなんてヌルい事言ってた彰人をいつか出し抜いてやりたいと思っていただけだ。アンタは平穏を望むのか?」
「いや…。」
「だろうな、なら、アンタにつくと決めた俺の選択は間違ってねぇ。」
「お前は俺の一番の右腕になりそうだな。」
「それもアンタ次第だ。」
「俺はお前をたいくつさせねぇ自身はあるぜ?」
馬鹿な竜一は俺に胸を張って見せた。
竜一のそばにいれば遥夢を守ることが出来る。
それが一時的に遥夢を傷つけるとわかっていても、そうするしか俺には選択肢はなかったんだ。