only one
長くなりそうな話しに割って入って本題に戻す俺に親父は不服そうに唇を尖らせた。
いい年した男が気持ち悪ィんだよ!と心で呟くも、
「母さんは可愛いと言うてくれるぞ。」
「わぁーった!
わかったから話を先に進めてくれ!」
肩でゼーゼーと息をする俺。
デュランにいたってはホッと胸を撫で下ろしている。
「そうか?
そんなに俺の話を聞きたいか?」
「はい。」
「………で?
何の話をしてたっけ?」
殴ってもいいですか―?!
つぅかマジでキレそうだぜクソ親父!
拳を震わせながら怒りに耐える俺。
デュランは涼しい顔で親父に歩み寄り、
「後継者についてですよ。マイ様。」
言葉をかけた瞬間親父の頭のてっぺんに空手チョップをお見舞いしていた。
頭を押さえながら悶絶する親父を横目にデュランと目だけで会話をする俺。
「よくやったデュラン。!」
「なーに、こんなもの朝飯前ですよ。」