only one


「間違ってねぇはずだ。デュラン!
てめぇ、結局のところ俺も遥夢も晒して者じゃねえか!」


デュランの胸倉を掴んで揺さぶる俺。


「くる…し…くるし…いマツ…さま…。」


感情が高ぶりすぎて首を締め付けてしまっていた。


「やめなさいマツ。」


「結ばれたらっていうのがポイントなのね。」


真っ白な状態の二人がもう一度恋に落ちるなんてロマンチックだわって母さんは呑気に話している。


つぅか知らねぇって怖ぇよ…。


母さんも今じゃ普通に親父の嫁さんやってっけど、じいちゃんと結ばれてたら遥夢と同じだったんじゃねぇの?!」


「結ばれたらってのはなしだ!
結ばれるんだよ!もう一度。
これにたらはねぇんだよ!
決定事項だ!」


俺と遥夢はぜってぇ結ばれる!


鼻息荒く話す俺に母さんはニッコリと微笑んだ。

「だったら仕方ないじゃない。
黒髪に黒い瞳の夫婦なんて素敵じゃない!」


うっとりと遠くを見つめる母さんに何も話すことはない。


つぅか母さんらしい意見に俺は一気に諦めがついた。


それと悟ったんだ。






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