only one
騎士は後継者になれない。
さっきの親父の言葉に納得した。
後継者とそれを支える伝説の騎士。
この話が広まれば、
「ここは揺るぎない国になる。」
親父の声が響く。
「そういうことかよ。」
ご立派な掟だな。
騎士伝説。
大きくため息を吐き出して、両手を大きく打ってパンッと音を立てた。
「もうなんでもいいから早く遥夢に逢わせろや!」
俺は大声で言った。
後のことは、その時に考えればいい。
遥夢と出逢うのが先だ。
それに、なにをおいても遥夢に逢いてぇ。
遥夢不足だ。
遥夢が足りねぇ。
遥夢遥夢遥夢――…。