only one
「まぁ、この子ったら遥夢遥夢って遥夢さんに夢中なのね。」
「そりゃそうだよ。
だって遥夢さん、すっごく可愛いもんね。」
「そうね、今日はピンクのワンピースがとってもよく似合っていたわね。」
「けど、遥夢さんっていつもピンクの服を着てるね。
明日もピンクかな?」
はぁ??
「遥夢に逢ったのか?」
母さんとマーフィーの会話に割り込み尋ねる俺に二人は驚いたように、目を丸くしている。
「兄様、知らなかったの?」
「遥夢さんなら毎日城に遊びに来てくれるのよ。ディアス君と一緒に。」
そうか、遥夢は元気なんだな。
城にも人にも馴染んでいるようで安心した。
けど、ディアスと一緒ってのは気にいらねぇ。
世話係みたいなもんだってわかってるけど、
「やっぱ遥夢はディアスとあの家に二人だけで…」
俺の言葉を最後まで聞かずに母さんは応えた。
「住んでるわよ。
とっても仲が良いのよディアス君と遥夢さん。」
余計な一言までつけてくれて…。
マジで急がねぇと…
「親父、サッサと記憶を抜いてくれ!
そんで、それをサクッとデリーに渡して俺を遥夢に逢わせてくれよ!
早くしろ!
サクサクっとやってくれ!」