only one


「これはなんていう料理ですの?」


「だし巻き玉子だよ。」


だし巻き玉子…。


知ってるぞ俺も。


けど作り方は知らねぇ。

「聞いたことありませんわ。
オムレツとはちがいますの?」


「うん。オムレツはオムレツだよ。
だし巻き玉子はね。
そのまんまだけどカツオで取っただし汁を使って作るんだよ。」


「遥夢の作るだし巻き玉子はフライパンも特殊なんだよな。」


デリーと遥夢の会話にディアスも入って話が盛り上がっている。


ムカつくのは何故だ?


俺は会話に聞き耳を立てながら黙々と食べ続けた。


「フライパンが特殊ですの?」


「うん。ディアスって凄いんだよ!
丸いフライパンを四角にしちゃったの。」


ケッ。
そんな事くらい俺にだって出来るぞ!


こう、掌をかざしてだな…。


掌?


あ―…。


意味わかんねぇ。


掌がなんなんだ?


「遥夢の作ったカツオの燻製の方が凄いぞ。
燻製の作り方は知ってたけど、カツオを燻製にしてだし汁を取るなんて知らなかったよ。」


「ホントはね。
作ったことなかったんだ。
それに、ディアスが燻製の作り方を教えてくれたし、手伝ってくれたからだよ。」


「そうですの。
今度わたくしにも教えて下さいませね。」


「うん。」


つぅかイライラする。


なんでお前らそんなに仲いいんだよ!


遥夢は俺んだぞ!


ん?


遥夢は俺の何?


何でもねぇよなぁ…。


はぁ―…。


やっぱり意味わかんねぇ――…。







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