only one
心地良さに酔いしれていると息苦しさに徐々に意識がハッキリとしてきた。
「ん…んふ……」
苦しさに目を開けると瞳に飛び込んでくるのはマツの顔だった。
「あんまり起きねぇぇからさ…」
ニンマリと笑って自分の唇をペロリと舐めるマツ。
そしてまた顔を近づけてチュッと音を立てて短くキスをしたんだ。
そんなに長く眠っていたのかな?
黒い影に吸い込まれて目の前がぐにゃりと歪んでからの記憶が曖昧だ。
「マツ、ごめんね。
眠っちゃって…。」
ずっと私の体を守るように抱きしめてくれているマツにまずは謝らなきゃいけないと思ったんだ。