only one
深夜、腹が減って目が覚めた。
リビングに下りると当然灯りは消えていて、デリーの姿もない。
こんな時間に起きているのは俺くらいか?
部屋に灯りを灯すと、テーブルの上には俺の食事が用意されていて、デリーが書いたのかメモが添えてあった。
『きっとマツの事だからお腹がすいたら眠れないでしょう。
わたくしは夜更かしはいたしませんの。
お肌の敵ですのよ。』
デリーらしい手紙に笑みが漏れた。
「普通こういう場合、温めて食べて下さいとか書くんじゃねぇの?」
一人呟きながら席に着く。
普段デリーとは食べない変わった料理が並べられていた。
やっぱりどれを食べても懐かしいと感じる。
これは遥夢が作ったのか?
遥夢はいったい何者なんだ?
俺は遥夢を知っていたのか?
何故、遥夢の作る料理を懐かしいと感じるんだ?