only one
私達は大きな一本の木の下に座っていた。
私の体はマツの膝の上で横抱きにされている。
目の前には大きな森が広がっている。
「遥夢…」
ねぇ、マツ?
どうしてそんなに苦しそうに私を呼ぶの?
私はマツに言葉を返さずに体を起こして抱きついた。
苦しそうなマツも寂しそうなマツも見たくないよ…
でも私の体はすぐにマツから引き剥がされたんだ。
背中から伸びてきた掌が私の肩を掴んでグイグイと引っ張っていたんだ。
「マーフィ、もう待てねぇって!!」