only one


うんうんと頷き続ける遥夢。


その間も涙はとめどなく流れ、遥夢の頬を濡らしていく。


「お前、泣きすぎ…。」

俺は流れ落ちる涙を丁寧に唇で掬い取った。


恥ずかしそうに頬を赤らめる遥夢に胸が高鳴って、


「キスしてぇ…。」


呟きを漏らすと…。







「大変ですわ!お兄様が管理していた遥夢さんの記憶が消えてしまいましたの!!」



部屋に飛び込んできたデリーの叫び声に見事にかき消された。





つぅかよ…。


空気読めよ!








< 430 / 473 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop