only one
うんうんと頷き続ける遥夢。
その間も涙はとめどなく流れ、遥夢の頬を濡らしていく。
「お前、泣きすぎ…。」
俺は流れ落ちる涙を丁寧に唇で掬い取った。
恥ずかしそうに頬を赤らめる遥夢に胸が高鳴って、
「キスしてぇ…。」
呟きを漏らすと…。
「大変ですわ!お兄様が管理していた遥夢さんの記憶が消えてしまいましたの!!」
部屋に飛び込んできたデリーの叫び声に見事にかき消された。
つぅかよ…。
空気読めよ!