only one
それでも遥夢が笑っているから、まぁいいかと思い視線を向けると遥夢はピンクのマカロンを手に懐かしそうに微笑んだ。
「マツさんが私に最初にくれたプレゼントだよ。」
微笑みながら話す遥夢に俺も当時を思い浮かべた。
「そうでしたわね。」
すかさず相槌を打つデリーに苛立ちを感じていると、
「マツのクセに…」
ディアスに意味不明な言葉を掛けられた。
「クセにってなんだよ。」
「そのままだけど?」
「意味わかんねぇし…。」
言い合いを始めた俺達を見つめた遥夢はくすくすと笑い声を立てた。
「あの時はマツがすごく怖かったの。
だけどマツの手を放したくないって思った。
男の人の手は暴力をふるうために存在するんじゃないって教えてくれたのもマツだった。」
可愛いセリフを唇から落とす。
「キスしてぇ。」