only one


だけどそんなこと承知でマツに着いてきたんだ。

「緊張しています。
私が本当にここに受け入れてもらえるのか…
とても不安です。
だけど信じるしかないんですよね。
マツを…
みなさんを…。
それに受け入れてもらえるように私も精一杯努力します。」


だから私は自分の気持ちを正直に全て話した。


「マツにもったいないですわ。
遥夢!
わたくしと一緒に暮らしましょう。
わたくしが遥夢を幸せにして差し上げますわ!」


私の後ろに移動して背中から私を抱きしめるデリーさん。


「?」


驚きすぎて固まる私の耳元でくすくすと笑い声が聞こえる。


「デリーさん?」


私を解放したデリーさんは肩を震わせて笑っている。


そして私の耳に唇を寄せて、


「ここの会話に聞き耳を立てて喜んだり怒ったり忙しいネズミがいるようですわ。」


愛されていますのねってウインクをしながら話してくれた。


だけどその言葉の意味は私にはわからなくて、


「ネズミ?」


キョトンとした様子で聞き返した。








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