only one
その後デリーさんはまた静かにお茶を飲みながら私に色々話してくれた。
マツはこの国の後継者だったこと、そして私の世界に逃げてきたことも。
それに私とマツは運命で結ばれていることも。
「この国にはずっと伝説としての言い伝えがあるんですの。
黒い髪と黒い瞳を持つ伝説の騎士。
その騎士は異世界から同じ黒い髪と黒い瞳を持つ乙女を探し出し国に連れ帰るという伝説ですの。」
マツと遥夢さんのことですわってサラリと教えてくれたデリーさん。
でも、ちょっと待って!
「私の国には黒髪も黒い瞳も珍しくはありません。
だから私がその…うんめいの…というのは本当かどうか…。」
そう、もしかしたら間違いってこともあるかもしれない。
間違いだなんて思いたくないけど…
たくさんの中から私が選ばれるなんて…
何も持ってない私が…
「証拠はありますわ。
だって遥夢さんと結ばれてマツは髪の色も瞳の色も変わったのでしょう?」
デリーさんの問い掛けに私はこくりと頷いた。