only one
訓練
「ディアス、てめぇ上等じゃねぇか!」
ふざけていると思っていたディアスを追って部屋に入った俺は涼しい顔をするディアスに詰め寄った。
ディアスを追いかけて辿り着いた部屋は訓練場。
俺がどんなに暴れても壊すことなど出来そうにない程の壁に囲まれていた。
そして満足そうに笑みを浮かべるデュランの姿。
俺はまんまとはめられたって事に気付いたときには遅かった。
「マツ様、今からマツ様は遥夢様と離れて訓練をして頂きます。」
冷たく言い放つデュラン。
「遥夢はどうすんだよ!あいつ一人なんだぞ。
ここであいつは俺と放されたら一人になっちまうんだぞ!」
やっと記憶が戻りこれからだと思っていたのにいったいどういうつもりなんだ。
遥夢を一人にしたくねぇ。
興奮し怒りを露わにする俺の肩を叩くディアス。
「デリーがずっと一緒だ。遥夢は一人じゃねぇ。」
「それでも遥夢がデリーに心を開くとは思えない。あいつは俺についてここに来たんだ。
俺があいつの側を放れられないのはお前にもわかるだろ!」