only one
「んじゃ、行くか!」
手を差し伸べてくれるディアス。
「どこに?」
私はその手を取らずにディアスに話しかけた。
だってまだマツは木の下で座ったままだよ?
マツを放っておいて何処に行けるって言うの?
怪訝な表情を浮かべる私にディアスはニンマリと笑って言ったんだ。
「マツなら心配いらねぇよ。
妹のデリーがすぐ迎えに来るからさ。」
「でも...
1人にするなんて危ないよ。」
引き下がらない私にディアスは大きくため息をついてからマツに近づきながら話し出した。
「絶対に大丈夫だって証拠を見せてやるよ。」
そう言いながらマツに近づきマツの体に触れようとするディアス。
そのディアスの手は電気のような光にバチバチと音を立てて阻まれたんだ。
「痛ぇ!
な?誰もディアスには触れることも近づくこともできねぇんだよ。」