only one
「待って!マツに挨拶をさせて..。」
差し伸べられた手に一旦自分の手を重ねた後ディアスに話しかけた。
そして私はマツに近づいたんだ。
電気みたいな光に阻まれてもいい、近づけるところまで近づいてマツにちゃんといってきますと言いたかったんだ。
「危ないからよせ!」
背中に刺さるディアスの声。
痛いのは嫌だよ。
でもマツに触れたい。
しばらく逢えないならなおさらマツにキチンと伝えたいんだもん。
「マツ、行ってくるね。きっとマツのところに戻るから待ってて..。」
マツの頬に触れながら私はマツにちゃんと挨拶が出来た。
私を近づけてくれたマツ。
無意識だからこそ嬉しかった。
離れがたい気持ちを押し殺してマツに触れるだけのキスをしてディアスの元に戻った。
「行くぞ。」
今度こそディアスに手を引かれて私は歩き出したんだ。