only one
「目、閉じろ。」
頭の上からディアスの低い声が響いた。
私は言われるまま目を閉じたんだ。
「そのまま動くなよ。」
そう言って私の両頬をに手を添えた後触れたのはディアスの唇だった。
キス...された?
そう気付いた時には私の手はディアスの頬を思いっきり叩いていた。
「なにするのよッッ!」
「痛ェな!この凶暴女!」
「なんでキスなんてするのよ?」
悲しくて涙が溢れるのをとめることが出来なかったんだ。
マツ以外の人に...キス..されるなんて...。
そう思うと体が震えるほど悲しくてどうしようもなかった。
「お前の記憶抜くのに唇から吸い取るんだ。それがキスと呼ばれるものでも俺たちにとっちゃ単なる儀式みたいなもんなんだよ。」