only one
「儀式?」
それって...
マツも?
嫌だ!!
嫌だよ!!
マツも記憶を抜くためにキス..しちゃうんだ。
「待て!!」
私はディアスを振り切って走り出した。
森の入り口で座っているマツのところへ。
森の中の暗さなんて気にならなかった。
怖いと思った生い茂る木も足に絡みつく草も全く気にならなかったんだ。
ただマツのところに行きたい。
そのことだけが頭の中に渦巻いていて駆け出す足は止まらなかった。
「待てって!!」
でもすぐにディアスに腕を掴まれて気がつくと私はディアスの腕の中に閉じ込められていた。
「いやッッ!!放して!!マツのところに行かせて。