only one
「別に理由なんてねぇんだ本当にただからかっただけなんだ。
悪かった、キスってお前にとってそんなに大事なものだなんて思わなかったんだ。」
跪いた姿勢のまま私の手を取り一度目を合わせてから話し、ディアスは頭を深く下げたんだ。
「キスって大切なものじゃないの?ディアスにとってのキスってなに?」
初めて見せるディアスの真面目な顔に怒るよりも聞きたくなったんだ。
キスをどう思っているのか。
「キスは挨拶みたいなものじゃねぇのか?お前の世界じゃ挨拶じゃないのか?」
そりゃ挨拶でキスを交わす人もいるだろう..
だけど..
私にとってのキスはとっても大切な愛情の表現なんだ。
マツにだけ許してきた大切なもの
「私にとってのキスは恋人たちの愛情のしるし、そう思ってる。」
だから私の唇に触れていいのはマツだけ。
マツの唇に触れるのも私だけでありたい。
この世界じゃそれは無理なの?
そんなのイヤだよ。