only one


そして魁夢は私が小学校に上がるのを待っていたかのように全寮制の学校に入学させた。


住み慣れた家を離れ高額で寮生活を強いられる学校。


閉じこめられたかのような生活だった。


学校生活も寮生活も厳しく友達も作れなかった。

そんな生活も私が高校を卒業するときに終わったんだ。


父の事業を継いだ魁夢の失敗によって学費を支払うことが出来なくなり大学へ進むことなく私は家に戻された。


全て自分の意志ではなく魁夢の思うがまま私の生活は変えられていた。


厳しく寂しかった学校生活。


だけど家に帰ると地獄だった。


大嫌いだった学校と寮が家族の元で暮らすことより幸せだったんだ。


手入れのいきとどいていた庭も、父と母と一緒におやつを食べていた温室も荒れ果て、全てが変わってしまった私の家。


家の中の物もたくさん無くなっていた。


私の家はもう無かったんだ。



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