only one
「あれほど注意をしていましたのに…」
体中が痛い。
体中のあちこちに熱を持っていて燃えるように熱い。
ベッドの上の私の体に冷たいタオルを押し当てる仲村さんの手当てで私は目を覚ましたんだ。
「仲村さん?」
視界が霞んでよく見えなかった。
魁夢と言い争った後何度も魁夢に殴られたのは覚えている。
だけど状況がよくわからない。
「逆らってはいけません。魁夢様には決して逆らわないと約束して下さい。そうでないと遥夢様生きていけない。」
横たわる私のそばで涙を浮かべて必死に話をする仲村さん。
魁夢の目を盗んでは私に愛情を注いでくれた唯一の人。
私の心配をしてくれる仲村さんが地獄のような生活の中の太陽だった。
暗闇で生活する私に唯一残された光だったんだ。