フカキコカゲ
 夏もそろそろ終わろうかと言う時分である。大学の民俗学ゼミを専攻していた「私」は、卒論の調査のために二泊三日のバイクの旅に出た。卒論の調査、と言うのはどことなく大義名分的な響きがあったが、とにもかくにも、「私」は鉄の愛馬「RZ250R」に三日分の身仕度を積み込むと、意気揚々と実家を後にしたのであった。
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