カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜
「ただいまー。」
家のドアを開けて部屋へと向かう。
「姉ちゃんお帰り。デートどうだった?」
優人は、どうしてこんなに鋭い弟なんだろう…。
私、デートなんて一言も言ってないのに見抜かれてる…。
まあ、デート前まで、かなり機嫌よく優人に接していたし、今日も朝早くからオシャレして家を出て、夜になって帰って来たからなあ…。
自分では冷静な顔してるつもりでも、口元が緩んでるのかも…。
弟に見透かされてばっかりの私って……。
「…うん、とても楽しかったよ。」
素直に言った。
「ねえ、彼氏って誰?」
「秘密!」
それだけ言い、部屋の中に入った。
…でも、鋭い優人のことだから気付かれるのも時間の問題かも。
っていうか、知ってて敢えて聞いたのかもしれないし…。
先生の誕生日に化学室で鉢合わせした時の優人の表情…なんか印象に残ってるんだよなあ。
あの時にバレてるような気がするんだよね…。