カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜

「ただいまー。」



家のドアを開けて部屋へと向かう。



「姉ちゃんお帰り。デートどうだった?」



優人は、どうしてこんなに鋭い弟なんだろう…。



私、デートなんて一言も言ってないのに見抜かれてる…。



まあ、デート前まで、かなり機嫌よく優人に接していたし、今日も朝早くからオシャレして家を出て、夜になって帰って来たからなあ…。



自分では冷静な顔してるつもりでも、口元が緩んでるのかも…。



弟に見透かされてばっかりの私って……。



「…うん、とても楽しかったよ。」



素直に言った。



「ねえ、彼氏って誰?」



「秘密!」



それだけ言い、部屋の中に入った。



…でも、鋭い優人のことだから気付かれるのも時間の問題かも。



っていうか、知ってて敢えて聞いたのかもしれないし…。



先生の誕生日に化学室で鉢合わせした時の優人の表情…なんか印象に残ってるんだよなあ。



あの時にバレてるような気がするんだよね…。



< 140 / 264 >

この作品をシェア

pagetop