カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜

夏祭り

夕方になり、浴衣に着替えて準備をしていた。



髪も束ねて後ろで涼しげにまとめた。



…そろそろ出ないとね。



夕日の中、一人歩く私。



早く先生に会いたい…。



一人だと色々と考えちゃうから、先生に会って楽しいこと話したりして、笑いたい…。



少し足早に会場へと歩いていた。



夕日を浴びながら、お祭りの会場へと到着したのは、6時少し前。



そういえば、現地集合ってことにしてあったけど、どの辺で待ってるかまで話してなかったっけ…。



会場は結構広いし、人も多い。



先生に会えるかなあ…。



会場の入り口から少し入ったところで先生を待った。


もし、6時になって暫くしても会えなかったら携帯に連絡してみればいいよね。


巾着のバッグから携帯電話を取り出して時間を確かめた。



6時ちょうど…!



そう思いながら携帯の画面を見ていた。




“ギュッ…”



!?



突然、後ろから抱きしめられて驚く私。



「えっ…!?」



そう声を発しながら振り向くと、先生が優しく微笑んでいた。



「…見つけた。」



囁きのような甘い声にドキドキが急に早くなる。



先生ってば、後ろから来るなんて反則だよ…。



私が見つける前に、あっさり先生に見つけられちゃったね…。



< 151 / 264 >

この作品をシェア

pagetop