カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜
「あのっ…先生…。」
「こら。“先生”じゃないだろ?」
もっと強く抱きしめながら優しい声で言った。
え〜っ!
ますますドキドキしちゃってるよ…。
「宏介…。」
名前を呼ぶと先生は手をはなして、くるっと私を先生の方に向けた。
「浴衣、似合ってる。可愛い…っていうよりも綺麗だな。」
「そ…そうですか?」
なんだか照れるなあ…。
「“女の子”というより“女性”だな。俺、すごくドキドキしてるよ…。」
そう言った先生の頬は少し赤くなっていた。
先生の赤くなった顔…可愛い。
ドキドキしてくれてるなんて、嬉しいな。
「宏介も似合ってるよ。男らしくてかっこいい!」
今日は先生も浴衣。
グレーの浴衣がとってもかっこいい。
先生の和服姿に思わずキュンとなっていた。
普段じゃ、なかなか浴衣は見られないもんね。
「愛菜にそう言ってもらえると嬉しいよ。それじゃあ色々と見に行くか!花火まで時間あるし…。」
差し出された手に、私は静かに手をのせた。