カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜
大勢の人が行き交う中を先生は私の歩くペースに合わせて、ゆっくりと歩いてくれている。



「俺、お祭りに来るの久しぶりだなあ…。教師になってから初めてかも。」



「そうなんですか!?」



ちょっと意外かも…。


夏休み中も仕事で疲れちゃって、お祭りに行かないってことかな…?



それとも、人気のある先生だから、お祭りとか来ると生徒がたくさん駆けよって来て、人だかりになっちゃうからかなあ…?



勝手にあれこれ想像をしてしまった。



“久しぶり”かあ…。



そういえば先生…いつもと変わりないけど、あの澪さんっていう女の人とどのくらい話していたんだろう…。



話すことだって色々あるだろうし…。



先生の横顔を見ながら、ふとそんなことを考えてしまった。



「ん?どうした?」



私の視線に気づいた先生がこちらを見た。



「あっ…いえ、何でもないです。」



私は、にこっと笑った。



今、そんなこと考えたって仕方ないじゃん…。



せっかく先生とお祭りに来てるんだから…!



そう自分に言い聞かせた。


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