カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜
「それと……大学のことで…。」



言葉に詰まりながら、今日の面談のことを話した。



推薦の話、大学がこの町から遠いことも、全て先生に伝えた。



相づちをうちながら聞いてくれる先生。



その相づちから、ちゃんと真剣に話を聞いてくれてるのがよく分かった。



「なあ、愛菜…。俺は、推薦入試受けた方がいいと思うよ。」



「…でも、もしその大学に入ることになったら…先生との距離が遠くなっちゃうよ…。」



遠ければ遠いほど、先生とだって会う機会が減る気がするんだ…。



「愛菜…、距離が離れたとしても心は繋がってる。空みたいにさ、どこにいても繋がってるよ。」



私はふと窓を開けて空を見上げた。



三日月が浮かぶ夜空に星が瞬いている綺麗な夜だ。



「愛菜には色んな可能性が眠ってる。だから興味があるって感じたら、どんどん進んでいってほしいんだ。」



優しく囁きかけるような先生の声…。



心の奥深くまで語りかけてくる。



ダメだ…また泣いちゃう…私。



先生が『先生』で



『彼氏』で



本当に良かった…。



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