カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜
バスケットの試合は始まったものの、バレーのコートで大きな声援が聞こえると、ちらっと見てしまう自分がいた。
だって女子生徒が歓声をあげるのは、先生がかっこよく得点を入れた時の可能性が高いから…!
私も見たいっ!!
…でもバスケットの試合もしっかりやらなきゃ…。
心の中で妙な葛藤をしながらプレイをしていた。
しばらくすると大きな歓声と拍手が耳に入って来た。
きっとバレーの試合が終わったんだ…。
少ししてから、ちらりとバレーのコートを見ると、どうやら職員チームが勝ったようで、次のクラスの試合を始めるみたいだ。
最後まで見れなかったのは残念だけど、勝てたみたいだし、良かったあ…。
なんだか、ほっとした気分…。
「愛菜〜!ボールいったよ!!」
えっ…!?
先生の試合のことを考えていて、チームの女の子がくれたパスボールを取り損ねてしまった。
「ごめん!!」
チームの子に謝ってからコートの外に転がっていったボールを追い掛けた。
「はい、どうぞ。」
ボールを追って下ばかり見ていた私は、その声で顔をあげた。
…!!
目の前にボールを持って立っていたのは、私の大好きな入江先生だった。