カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜
私は生徒と生徒の隙間から覗くようにして観戦していた。



ここまですることも無いとは思うけど、念には念を…。



でも、スラリと背の高い先生は目立つから目で追いやすい。



何しててもキラキラして見えるよ、先生…!



最後まで先生しか目に映っていなかった。



試合は、1点差と僅差ではあったものの、職員チームが去年に続いて優勝を飾った。



“先生おめでとう!”



とりあえず心の中でそう言った。



あとで、言葉でちゃんと伝えるからね…!






クラスマッチが終わり、放課後。



先生に“おめでとう”だけでも言いたい…。



そう思い、教室を出た。



もしかして、部活やってるかも…。



ふとそう思い、理科準備室よりも先に体育館へ向かった。



“ガラガラッ”


体育館の重い扉を開けると中には誰もいない…。


今日は部活ないのかあ…。じゃあ準備室にいるのかな…先生。


私は、扉を閉め始めた。




「お〜い!ストップ!」



えっ!誰もいないはずの体育館の中から声が聞こえたよねえ…。



おそるおそる中を見ると…

先生…!


奥の体育倉庫から先生が出て来た。



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