カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜

二人の距離


翌日の夜、入江先生から電話がかかってきた。



「もしもし…愛菜、今大丈夫か?」



「大丈夫です…。」



「今日、暁沢先生から話を聞いた。ごめんな。俺がしっかりしてなかったから…。」



「先生は悪くないですよ。私も勝手に会いに行ったりしたから…。」



「いや…愛菜のせいじゃないよ。俺の…」



「いえ…私の…」



“クスッ…”



思わず、二人で笑い合った。



「お互い同じようなこと言ってるな。俺たち。」



「…そうですね。」



私は前みたいに窓を開けて空を見上げた。



「愛菜、しばらく授業以外の時は会わないようにしようか…。」



「はい…。」


先生からその言葉が出た瞬間、私はそれしか言えなかった。



授業なんて、週に2回だけ。先生にほとんど会えなくなる。



毎日顔を見てもすぐに会いたくなる私にとって、辛い…。




でも、しょうがないよね…。



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