カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜
「夏休み初めてデートした帰りに、愛菜が車から降りたところ覚えてるか?」



「もちろん覚えてます!」


「俺、今そこまで来てるから…。」



えっ!!



…ということは、すぐ傍まで先生が来てるっていうことじゃん!



私は途端に慌てはじめた。


「先生!15分…いえ、10分で行きます!」



そう言って、電話を切り、バタバタと急ぎながら支度をした。



先生が待ってる…。



先生に会える…!



1分でも1秒でも早く先生に会いたい…。



その気持ちに押されながら、テキパキと支度をして、家を出た。



息も白く、寒い夜。



コートを羽織って先生が待つ場所へと走っていた。



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