カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜

「愛菜…。」



ふと見ると、先生が小さな細長い箱を差し出していた。



深緑色の小箱にはピンクと白のリボンがかけられている。 



「これって……。」



「クリスマスプレゼント!開けてごらん。」



私たちは近くのベンチに座った。



先生…いつの間にプレゼント用意してくれてたんだろう…。



ワクワクしながら、リボンをほどいて箱をゆっくりと開けた。




…可愛い!




中に入っていたのは腕時計。



桜色の文字盤がとても可愛らしい。



数字のところには、透明なクリスタルが埋め込まれていて、ツリーの明かりで七色に輝いてみえる。



「こんなに素敵なプレゼント…私にはもったいないよ…。」



そう言うと、先生は箱の中から時計を取り出して、私の腕にはめてくれた。



「似合ってる…。」



先生の言葉で、私は顔の高さまで腕をあげて、じっくりと時計を見つめた。



似合ってるって先生に言われちゃった…!



まるで幼い頃の自分に戻ったかのように、心がはしゃいでいた。



< 215 / 264 >

この作品をシェア

pagetop