カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜

理由

そして翌日…。



学校帰りに挨拶をしていこうと、理科準備室の扉を開けようとすると、先生が出てきた。



「どうした?これから帰るところか?」



優しい声……、だけどいつもよりトーンが低い…かな…。



「挨拶だけしていこうと思って…。」



今日は、“さよなら”って、それだけ言って帰ろう…。



先生に挨拶をしようとすると、



「三咲…この後、時間あるか?」



意外な言葉…。



何か話があるってこと…?


私が頷くと、先生は準備室へ私を入れた。



「ちょっと待っててくれるか?俺、事務室に持っていく資料があるから…。」



「…入江先生、私が持って行きますよ。」



準備室を出ようとする先生に柊先生が声をかけた。



「でも……。」



ためらう先生から資料を受け取る柊先生。



「三咲さんに何か話があるようですし…。私も、事務室に用事がありますから気になさらないで下さい。」


「それじゃあ、すいませんがお願いします。」



先生が礼をすると、柊先生は準備室から出て行った。


…もしかして柊先生、気を遣ってくれたの?



……まさかね…。



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