カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜
「…ちょっと話したいことがあってさ…。」



「話…?」



どんな内容…?



どうして悲しそうな顔してるの?



あんまりいい話じゃないんだろうなってことは、先生を見てると伝わってくる。




「まだ正式に辞令が降りたわけじゃないけど…俺、転勤することになると思う…。」




え……転勤…?





…ということは、春から先生はこの学校にいなくなる…ってことだよね…。




「場所とかって、もう分かっているんですか?」



「ああ…一応…。同じ県内だけど、この町からは遠い…。」



遠い…かあ…。



それじゃあ私が夏休みとかこの町に帰って来ても、先生はいないんだ…。



高校に、準備室に会いに来ても先生はいないんだ…。


もっと距離が離れちゃうんだ…。



心の中に何か重いものが、乗っているような気がした。



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