カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜
準備室の扉を静かに閉めて、私は廊下をゆっくりと歩き始めた。



はぁ……




私…嘘ついちゃった…。



先生が心配して声をかけてくれたけど、“大丈夫です”って笑顔で言っちゃった。



本当は……寂しいって思ったんだ…。



でも、私が“寂しい”とか“辛い”って言っても、きっと先生を困らせる。



泣いたら、余計に先生だって辛くなる。



だから、私は笑顔で安心させてあげたいんだ…。




私、先生の前で自分の気持ちに嘘ついたのって初めてかもしれない…。



いつも素直に顔に出していたのに…。




今は、素直でいることが嫌だった。



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