カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜
先生の部屋で…
住所を辿って先生のマンションにやって来た。
ここが先生の住んでいるところ…。
駐車場には、先生の黒いスポーツカーが停まっている。
夏休みやクリスマスイブに、あの車に乗ってデートしに行ったんだよね…。
あの時のことを思い出しながらマンションの中に入った。
先生の部屋は5階。
エレベーターで5階まで上がり、先生の部屋の前に立った私は、そっとインターホンを押した。
笑顔、笑顔…。
自分にそう言い聞かせながら、先生が出てくるのを待った。
“ガチャ…”
ドアの開く音と共に先生が出て来た。
「寒かっただろ?」
先生は手を私の背中にあてて、部屋へと入れてくれた。
先生の部屋は黒や灰色の家具でまとめられていて、とてもシンプルだ。
暖房が程よく効いていて、雪の中、自転車で走ってきた私は、とても温かく感じた。
「手とか冷たいだろ?コタツ温かいから…。」
先生に言われ、私は部屋の真ん中に置かれたコタツに入って、冷えた体を温めた。