カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜
先生との話は尽きることなく、もうお昼前…。



そろそろ帰った方がいいよね…。



友達の家に泊まりに行ったことになってるとはいえ、心配してるかもしれないし…。




「宏介、お昼になるし…そろそろ帰るね…。」



「…分かった。本当は“帰したくない”って言いたいところだけど…。」



先生はニヤッと笑いながら立ち上がった。




そんなこと言われると、ドキドキしちゃうんですけど…!



「俺、送って行こうか?」


先生は、玄関のドアに手をかけながら、そう言った。


「大丈夫です。自転車だし、今日はそんなに寒くなさそうだから…。」



コートを羽織って、準備をした。



「まだ雪溶けてないから、ケガとかしないように気を付けてな。」



いつも優しいね。先生って…。



「あっ!ねえ、宏介…。ちょっといい?」



私は手招きをした。



「ん?」



不思議そうな表情をしながら顔を近付ける先生の頬に、私はそっとキスをした。


一度、私の方からキスしてみたかったんだよね…。



< 247 / 264 >

この作品をシェア

pagetop