カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜
化学室の窓際で私たち3人で話をしながら、チャイムが鳴るのを待った。


文系コースの人たちと合同で受けるため、メンバーが2年の時と違っている。


そういえば、伊原さん…いないなあ…。


教室の中を探した。


「ねえ、伊原さんって、理系コースらしいよ!しかも、化学は選択してないみたい。」


千鶴が耳元で話した。


そうなんだ…。理系なんて、すごいなあ…。



「授業始めるぞー!」


チャイムが鳴るのと同時に入って来た先生。


あっ…!入江先生!


自然と笑顔になる私。


先生は一度、教壇に上がって、テキストを机に置き、生徒たちの方を見た。


…わっ!


先生が私の方を見て、にこりと笑いかけてくれた。


ちょっとの間だけだったけど、先生と目が合っちゃった…!


あんな風に笑いかけられたら、他の生徒に“何かある”って疑われるかもしれない。


私は顔が赤くならないように抑えるのに必死だった。


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