カレイドスコープ2〜先生と過ごす日々〜


「わっ…これ…万華鏡…?すげー綺麗…。」


先生は入っていた箱を近くの机に置き、万華鏡を手にとった。


先生の喜ぶ顔を見るだけでもドキドキしちゃう…。




「あ!…これ、愛菜の“A”だろ?」



先生がニヤッとしながら“A”を指差した。



さすが先生!すぐに気付いてくれた…。



「はい!先生が私にくれた万華鏡には先生の名前の頭文字が刻まれていたので、私もそうしてみました…。」



言いながら顔が赤くなっていくのを感じていた。


「愛菜、考え方が可愛いな。」



先生にそんな風に言われると更に顔…赤くなっちゃうよ…。


「俺…今までで一番嬉しい誕生日プレゼントだよ…。」


先生は、少しだけ目頭を右手の親指と人差し指で押さえた。



「すげー感動しちゃったよ…なんか最近、涙腺弱くなった気がするんだよなあ…。俺も、もうオジサンかな…。」



あーっ!なんか久しぶりに聞いたなあ…。オジサンっていうセリフ。


去年もたまに言ってたよね…!



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