【奏】ミントチョコレート
「…だから、好きなんだって」




「ん?」



……もしかして…




「光石が好きなんだよ」




「えっ…えぇ」



「でも、光石は

フジモが好きなんだろ?」



「はぁ?

んな訳ないし…。

フジモは友達


ってか、岩瀬君って私の事

嫌いなんじゃないの?」




「はぁ?」


不機嫌な返事が返ってくる。




「だって…

私とあんまり話しないし」



「光石が俺の事嫌ってるの
…わかってたから」



「いやいや…私が嫌われてるかと思ってたよ」


「んな事ねぇし…」


「ってか何でよりによって…何で…私?」



「よりによってじゃねぇし…

光石は自分の事、異性として見られてないと思ってるみたいだけど俺にとっては最初から異性だったし…

それに、みんなといる時とか場を和ませようとしたり、率先してみんなが嫌がる事とかして凄ぇなって思ってた」




ちゃんと自分の事を見てくれてた人がいた事が

嬉しくて…でも


何だか気恥ずかしくて…

視線を布団に向けて俯いた。



ん…?



ちょっと待って…。



この状況って拙くない?




だって、お互い何とも思ってないから1つの布団で寝れる訳だし…

そうじゃないなら…。



1人、脳内パニックに陥った私に隣で動く気配がして、視線を向けると岩瀬君はもう横になってて、また壁の方を向いてた。



…何なの?


―――これ…。



私…今、告られてるんだよね?




「安心しろ…。

何もしねぇから…」



あっ…そうですか…。



私も、もう一度布団にもぐると
また天井に視線を向けた。




でもさ

普通、好きな子とこんな風に2人っきりになるとこう…色々と…思うもんじゃないの?

いや、思われても…なんだけど…ってか…好きとか嘘で…
からかってるとか?



あっ!!!


わかった。



「何かの罰ゲームでしょ?」



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