【奏】ミントチョコレート
「良かった~、
置いてかれたのかと思った」
駆け寄る私に
相変わらず無表情のまま…
近寄ってキョロキョロするけど
他に誰もいなくて…
「ねぇ…皆は?」
もしかして…もしかする…?
「人が多いからはぐれたみたいだな」
……やっぱり…。
こんな事なら…
1人ではぐれてた方が良かったし
まだましだったかも~。
なんて、
そんな事言える筈もなく…。
「そうなんだ…災難だよね」
「別に」
いつもそう、
この冷たい感じが苦手。
「そっか…皆、どこ行ったんだろうね?」
それでも、笑顔で問う私に興味なさそうに…。
「そのうち見つかるんじゃね?」
あの…
それまで2人なんですけど?
そりゃね
私だって正直、かなりあなたが苦手ですよ?
でもさ、今は2人っきりなんだから
ちょっとぐらいはさ…ねぇ…
仲良くしようとか
思いませんか~?!?!
なんて…そんな事言ったところで
きっとクールな返事が戻ってくるだけなんだろうな。
そう思って、グッと言葉をしまい込んだ。
でもね
声を大にして本当は言いたい。
だから…苦手なんだ~!!!
ってね。